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「ウチの広告ってバラバラかも」そんな時に効くフレームデザインというクリエイティブ手法とは?

「ウチの広告って、なんかバラバラなんだけど、どうにかならないかな?」クライアントの広告担当さんから、こんな相談をされることが多くなってきました。なぜでしょう?VUCA(ブーカ)などと言われる予測できない時代のせいなのか、メディア環境が大きく変化したせいなのか、はたまた社内事情…

あ、すいません。私、ADKという広告会社でクリエイティブディレクターをやっております合田英士と申します。上に画像がありますが、ちょうど今開催中の「クイズほっともっと」のクリエイティブディレクションを担当したり。このnoteの主催である「ADK CREATIVE MALL」で「フレームデザイン・クリエイティブ」というコンセプトを掲げるクリエイティブユニットのリーダーをやっております。

本日は、広告コミュニケーションがなぜバラバラになってしまうのか、さらに「バラバラにはフレームが効く」というテーマでお話しさせていただければと思います。


広告コミュニケーションがバラバラになってしまう3つの理由

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広告担当さん「いまってメディアが多いんだよねえ。テレビもあればYouTubeもあるし、SNSもやんなきゃだし、tikなんとかなんてもうわからんよ…」
① そうなんです。広告コミュニケーションがバラバラになってしまう、ひとつ目の理由はメディアが増え過ぎたせいなんです。TVCMや新聞雑誌と言ったいわゆるマス広告だけを考えればいい時代とは大きく変化し、上で広告担当さんが嘆くように、今やブランドとユーザーとの接点は数多あり、いやがおうでも不揃いになってしまうのかと。

「しかも、ウチなんてマスとデジタルでチーム違うから、それぞれ勝手にやってるしなあ」
② メディアが増えた分、広告会社側の担当者も企業側の担当者も増えました。ひとつの商品の広告キャンペーンに、2~3チームが関わることも珍しくないですし(時にそれぞれ広告会社が別だったりも)しかもチーム間で情報共有がスムーズにされているかと言うと、そうではない場合も多かったりします。

「VUCAの時代だっけ?ブーカかブカか知らないけど、まさに先が見えない時代だよなあ」
③ Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った言葉「VUCA(ブーカ)」というキーワードが流行っているように。ビジネスや社会にとって、今の時代は未来予測がとても難しい時代です。5年後会社が、いや社会がどうなっているか見えづらい時代に、統一性のある広告コミュニケーションを立案するのは中々難しい作業なのかもしれません。


先を見据えた「コミュニケーションフレーム」はなぜバラバラに効くのか?

なんとなく広告がバラバラになっているかも。そんな時に思い出していただきたいのが、これからお話しする「フレームデザイン」というクリエイティブの考え方です。

フレームデザインとは「先を見据えたコミュニケーションフレーム」をつくることでブランドや企業の価値を上げていくクリエイティブ手法です。中長期視点で、まずは表現の太い「フレーム」をつくり、それをベースとしながら様々なコミュニケーションを組み立てていきます。

わかりやすい例で言うと、各大手通信会社のコミュニケーションでもこの考え方に近い手法が用いられています。「動物が家族の大黒柱になっている」という「フレーム」をベースに様々なCMやコンテンツが長期間展開されていたり、「昔話の主人公が大集合している」という「フレーム」をベースにシリーズ展開されていたりと言った具合に。時には学生割引の話だったり時にはデータ無制限だったり、異なる内容を伝える様々な広告コンテンツを、ひとつの大きな「フレーム」をベースに訴求していくことで、全体として統一性と継続性のある広告コミュニケーションが実現されています。

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「先を見据えたコミュニケーションフレームをつくる」ことのメリットは何なのか。ざっくり整理してみました。
①フレームをつくると広告は勝手に統一されていく
②フレームをつくるとコミュニケーション効率が高まる

当たり前の話ですが、ひとつの「フレーム」をベースに全体を訴求していくので統一性が生まれてきます。さらにそれを継続することでコミュニケーション効率も高まってくる。たとえば、先ほど例に出した通信会社さんの様々な広告がそれぞれ別の表現だったらと想像すると、、おそらくユーザーにはバラバラな印象でしか伝わってないでしょう。しかも統一性がない分ひとつひとつの広告に蓄積効果が見込めないため、当然コミュニケーション効率も低下すると考えられます。


私がクリエイティブディレクターを担当させていただいてる「クイズほっともっと」を、「フレームデザイン」の考え方で説明してみましょう。

ほっともっとさんは、このキャンペーン以前にも「新コンビ弁当対決」など、第七世代のお笑い芸人さんを起用した広告キャンペーンを継続的に展開されているのですが。フレームデザイン的に説明するのであれば「若年層に人気のタレントさんを起用、参加型施策を活用しほっともっと体験させる」という「フレーム」をベースに中長期的に展開されていると言えるのではないでしょうか。

ちなみに、キャンペーンサイトの『食べてみた動画』にクイズCMのヒントがありますので、ぜひ100万円クイズにチャンレンジしてみてください!


フレームデザインは「メッセージ」と「世界観」をカタチにすることから始まる。

広告担当さん「フレームデザインっていいのかもしれないけど、タレントさん起用するようなビッグキャンペーンばかりやってるわけじゃないしね」
たまたまタレントさんを起用するような広告キャンペーンを例に出しましたが、フレームデザインは「メッセージ」と「世界観」をカタチにすることから始まると私は思っています。ブランドの目指す行き先をメッセージ化、相応しい世界観をビジュアル化。それをベースの「フレーム」としながら、様々なコミュニケーションを組み立てていくことで、不揃いだった広告が、統一性と継続性のあるコミュニケーションに近づいていきます。

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ここで言う「メッセージ」ですが、昨今マーケティングの世界で言われてる「ブランド・パーパス」のような社会的な存在意義を表現した、ある意味、意識の高いワードである必要は全然なく。たとえば、どういう層に支持されるブランドにしたいかだったり、どういう時に必要なブランドと思われたいかのような、ユーザーの行動やセールスによりつながるキーワードを軸にメッセージ化することでいいと私は考えています。

世界観のビジュアル化も重要です。カッコ良くなりたいのか親しみやすくなりたいのか信頼性を上げていきたいのか。ブランドが目指す先をビジュアル化し様々な広告担当者間でそれを共有することで統一されたイメージを持つことができ、コミュニケーションのズレが減っていくと考えられます。

短期的な結果を求める広告の場合でも「フレーム」があるとジャッジしやすくなる。

広告担当さん「うちの社長って信長タイプだから、すぐに結果欲しがるんだよ。中長期とか悠長なこと言ってられないって」
短期的な結果を求められる、いわゆる「販促的な広告」についても「フレーム」があると、よりジャッジがしやすくなると私は考えています。

たとえば、新店舗のオープンCMの企画を選ぶ際に。短期的な結果を求めるのであれば、広告会社から提案された企画の中から、一番インパクトがあって目立つCM企画をなんとなく選ぶことになると思われますが。「先を見据えたコミュニケーションフレーム」があれば、同じ目立つにしてもクールに目立つべきなのか親しみやすく目立つべきなのか等、その辺りのジャッジが「なんとなく」ではなく、より「確信を持って」行うことができるのではないかと思うからです。


リブランディングをお考えの際には、フレームデザインを思い出してください。

本日は「バラバラにはフレームが効く」というテーマでお話しをさせていただきましたが、いかがだったでしょうか。
「別にうちの広告バラバラじゃないし」という広告担当の皆さまも「そろそろリブランディングしたいな」とか「企業ブランディングをはじめたいな」という際には、ぜひ我々のことを思い出してみてください。
□ リブランディングしたい  コミュニケーションを新しくしたい
□ 企業広告や企業ブランディングに取り組みたい
□ 中長期視点で広告コミュニケーションを考えたい
たとえば、こんな時です!

冒頭で「フレームデザイン・クリエイティブというコンセプトを掲げる」というお話をさせていただきましたが。私がリーダーをつとめる、このユニットには約10名のクリエイターが所属しています。20代から40代まで多種多様なキャラの企画者たちが「フレーム」を武器にしながら、皆さまにより良いCRプランをご提案いたします。

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ありそうでなかったクリエイティブユニットを選べるサービス「ADK CREATIVE MALL」をご存じですか?

最後に、このnoteの主催である「ADK CREATIVE MALL」の紹介をさせてください。広告会社ADKがはじめた新しいクリエイティブサービスです。

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「今日はどの店で飲もうかなあ」そんな横丁でお店を選ぶような感覚でクリエイティブパートナーを選んでみませんか。どのクリエイティブユニットも、おいしくてユーザーを動かす得意料理を振舞えるお店ばかりと自負しております。
「CREATIVE MALL?知らないなあ」という方がいらっしゃいましたら、いちど下記サイトにアクセスしてみください。

ADK CREATIVE MALL 特設サイト


ADKクリエイティブ・ノートは毎週更新です。現役の広告クリエイターが広告やコミュニケーションについて投稿していきます。興味のある方、ぜひフォローをよろしくお願いいたします。

尚、今週水曜に「増刊号」と題し、ADKのクリエイティブ採用にまつわる記事も投稿予定です。合わせてご覧ください。

本日は、最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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クリエイティブディレクター/コピーライター
合田 英士 Eiji Goda


メッセージと世界観で、ブランドは新しくなる。
TVCM中心のマスキャンペーンのクリエイティブディレクションを担当することはもちろん、様々な企業や商品の中長期ブランディング、ブランドローンチなど、幅広いコミュニケーションに携わる。
東北芸術工科大学「コピーライティング」講師。
東京コピーライターズクラブ会員。



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