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「IPを愛し、IPに愛された女」が語る、「IP」でお仕事をもっと素敵にする方法。

ADKクリエイティブ・ノート

イラスト:©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK
今回特別に許諾いただき、私も「しんちゃんイラスト化」させていただきました!双葉社様、ありがとうございました!!

「IPビジネス」ブーム到来! その、「IP」ってご存知でしょうか?

「IP」=「 Intellectual Property (知的財産)」のことで、私たちのお仕事では主に、マンガ・アニメ・ゲームなどの作品やキャラクターを指します。

「IP」を起用したクリエイティブ、かなり増えましたよね。特に、企業様とのコラボ(=タイアップ)はものすごい数ローンチされていて、皆さんも日々どこかしらで目にされているのではと思います。

ちなみに私がいま大好きなIPは、多くの企業様がコラボ商品を頻繁に出すもんで、その度に急いでコンビニやスーパーに駆け込んだり、コラボイベントのために地方にまで足を運んだり、そりゃもう大忙しでして…。

…話がそれかけましたが、皆さま、はじめまして!
「エグゼキューション・クリエイティブ」というコンセプトのチームに属しながら、数多くの「IP」関連のクリエイティブ制作に関わらせていただいている、村上絵美と申します。「アニメのADK」と呼ばれた弊社で「最も『IP』が得意なクリエイティブディレクター」(自薦他薦)でございます。

チームが掲げる「エグゼキューション・クリエイティブ」というのは、機動力と定着力を武器に、いいものをつくりあげる実行部隊のことでして、私はそこで「IP」という最強の武器を装備して戦うクリエイティブ特殊部隊の隊長(柱)として「俺の責務を全う」しています。
(↑大好きなIPより/その1 )

4浪してなんとか東京藝術大学デザイン科に入学し、卒業後ADKに入社。
占いでは十中八九「地道にコツコツ・努力家・大器晩成」と出る私が、最長でコツコツを続けてきたのが「IP」関連のお仕事でした。

そんな私がクリエイティブとしてIPと深く関わるようになるまでの軌跡と、日々どんなことを考えながらIPのお仕事をしているかをお話いたします。

「キャラクタービジネスの神」を父にもつ私が、父の系譜と運命の出会い。「IPの基本」をみっちり学ばせていただいた、17年。

私の父は、村上克司(むらかみかつし)といいまして、「特撮ヒーロー」や「ロボットアニメ」など、数々のIPのキャラクターデザインや玩具開発などに携わり、「キャラクタービジネスの神」なんて呼んでいただいたこともあって、玩具業界ではちょっとばかし有名でした。

↑父の画集です。

その父が長らく勤めていたのが、大手玩具メーカー・バンダイ様でして、「スタンド使い同士は引かれ合う…」的なことなのでしょうか…!?
( ↑大好きなIPより/その2)
入社2年目でバンダイ様の商品広告制作に関わることになったのです。

私が担当させていただいた商品は主に「キャラクター玩具」です。IP作品と連動した変身ベルトや武器など「なりきり玩具」と呼ばれるものから、キャラクターのフィギュア・プラモデル、IPとコラボした知育用玩具、カード、食玩、育成玩具、玩具以外にもお菓子、アパレル、ゲームなど、お子さん向けから大人向けまでさまざまです。

膨大な数のキャラクター玩具CM制作から学んだ「IP」のこと。

CMは17年間でざっと600本以上は作ったのではないでしょうか。(アートディレクター界では結構多い方では…!?と自負してます!)1つ1つお話すると長くなっちゃうので割愛しますが、膨大なお仕事の中で得たものは、CM制作の基礎をがっつり学べたことはもちろんのこと、

●各IPのレギュレーションや版権元様とのやりとりなどを通して、IPと関わることの基本を学んだ。

●各IP・キャラクターの魅力をしっかり引き出しながら、ターゲットに刺さるクリエイティブを開発することの難しさも面白さも知った。

これにより、私にしかできない唯一無二の「エグゼキューション・クリエイティブ」へと導く最強武器=「IP」を装備する力を養え、おかげさまでIP関連のお仕事が増えていきました。

「特撮の聖地に、俺、参上!」夢だった、岩船山採石場跡での爆破(合成なし)

「IPの本質を捉える」ための、「想像力」と「憑依力」を鍛える!

IPのお仕事では、映像制作前で資料がまだシナリオや絵コンテ・キャラの設定画のみという状況下での企画開発や、作中にない設定でのストーリー開発なども多かったり、「想像」と「憑依」が必須だと思っています。

例えば、
複数のキャラクターが登場する「番宣ポスター」の場合:
キャラたちの性格を読んで、それぞれどんなポーズをとるかを想像してラフを描き、イラスト等を発注する。

●キャラクターボイス使用の「タイアップコンテンツ」の場合:
キャラたちの性格や口癖をとことん研究して憑依させてセリフを書く。(話すスピードや間なども超大事なので、ものまねしてみるのもアリ)

どちらも、アニメ制作会社様や版権元様から上がってきた完成版イラストや原稿の赤字=正解/不正解なので、わかりやすいですよね。だからこそ、IPの版権元様や制作会社様との向き合いは大事です。

IP制作サイドの皆様と真摯に向き合いながら「想像力」と「憑依力」を鍛えることは、正解を多く出せるようになる=「IPの本質を捉える力」も鍛えられるはずです。この力があると、IPのお仕事のレベルがグッと上がるので、とっても大事な訓練でもあるのです。

「嵐を呼ぶ」あの超国民的IPから学んだ、IPビジネスの理想系。

↑そう、これは皆さんご存知「クレヨンしんちゃん」のことです。
ADKが作品製作に携わり「自社IP」と呼ばせていただいている代表作のひとつでもあります。ここ数年で関わらせていただいたたくさんのお仕事の中で、これがタイアップの理想系かも!?と思えたお仕事を1つご紹介します。

クレヨンしんちゃん×クラフトボス
「すべての父ちゃんたちへ」WEBキャンペーン

©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK

テーマは、何気ない毎日を日々頑張っている働く人(特にお父さん)たちに、ほっと一息ついて「明日も頑張ろう」と思ってもらえるような、クラフトボスからの応援メッセージ。

そこで、働くお父さん代表キャラの「野原ひろし」を主人公に、フルアニメのWEBムービーなどを制作してキャンペーンを展開。ファンの皆様に喜んでいただきながら、そうでない方達にも楽しんでいただけるようなムービーを目指して、いろいろなことにこだわりました。

●しんのすけではなく、父のひろしを主人公にした。
●作中でほとんど描かれたことのない、しんのすけ誕生からの5年間の流れと、ひろしが子育てに奮闘するシーンを中心に描いた。
●ポジティブなひろしがこぼす悩みや弱さ、おバカなしんのすけがぽろっと発するまじめな一言など、ギャップのある姿を見せた。
●しんちゃん映画のような世界観にするため「ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」などの監督を務められた高橋渉さんにアニメ監督を依頼した。
●しんちゃん作品の本質である「ギャグ」要素もしっかり入れ込むことで、エモいだけではない、しんちゃんらしさを大切にした映像を目指した。
●ひろしが商品を飲むカットをしっかり入れた。

これらをこだわり抜いた結果、クラフトボスとのコラボでしかできない、「新しい」けど「クレヨンしんちゃんらしい」ムービーが完成しました。

公開2日で100万再生を記録、総再生回数は1000万回を突破!お父さん世代からの「仕事も子育ても自分らしく頑張ろう」「とても共感した」などの声をはじめ、家族からのお父さんへの感謝のメッセージなども多く寄せられ、ムービーをきっかけにキャンペーンは大成功となりました。

「新しい、けど、IPらしさを大切にしたクリエイティブ」のための、「親和性」探し。

上記のクリエイティブを完成させるにはまず、クライアントの皆様のIP理解と、版権元(+作品制作会社)の皆様の全面的なご協力が必須です。そこからブランドや企業が伝えたいメッセージをきちんと入れ込みながら、IPの作品らしさも大切にし、さらに新しい表現にするためには、両方が絶妙なバランスでハマらないと成し得ないのです。

そこで我々の出番です。皆さまの間に立って、上~手に丁~寧に両方を引っ張ってきて綺麗にハメる=つまりいわゆる「親和性」を見つけ出しクリエイティブとして具現化する。素敵なIPクリエイティブの誕生です!
我々「IPクリエイティブ特殊部隊」の存在意義はそこにあるのです!!

想像以上の結果をもたらす、ファンの皆様の強大なパワー。

素敵なクリエイティブにいち早く反応してくれるのがファンの皆様です。良いものや気に入ったものはちゃんと褒めて拡散していただけます。

ブランドや企業様へは「〇〇さんわかってる!」「素敵なコラボをありがとうございます」など感謝や賞賛の声、さらに「〇〇買います」につながり、IP側は新たな魅力を届けられたことで既存ファンとのエンゲージメントを高めるだけでなくファン層の拡大にも成功、など、ファンを起点とした話題化や拡散によって、想像を超える広がりや盛り上がりが生まれるのです。

ファンが喜ぶ=双方の価値向上につながり、企業様・IP関係者様も喜ぶ=営業や我々・スタッフ、みーんなが幸せになれるお仕事になる。「IPビジネス」の魅力はそこにあるのだと思います。

「IPビジネスの理想形」のひとつとして、
「クレヨンしんちゃん×クラフトボス」が、それを教えてくれました。

超どコアなファンの皆様に認められてこそ、真の成功である。

大好きな作品だからこそ、その目は厳しい!コマ送りだってする!(事実)そんな熱狂的ファンの皆様も納得&歓喜の、3つの事例をご紹介します。

共に変身したすべての戦友たちへ、感謝を贈る。
仮面ライダー50周年記念「ALL CREW PROJECT」

「仮面ライダー」シリーズ=ADK「自社IP」と呼ばせていただいている代表作のひとつ

「仮面ライダー」シリーズの50周年を記念して、ADKエモーションズが主体となり立ち上げた、50年間愛し支え続けてくださったファンの皆様、関係各社様、キャスト・スタッフの皆様、すべてを「戦友」と称して、戦友の皆様への感謝を届けるプロジェクト。

完全新作の「特別映像」では、昭和・平成・令和の歴代仮面ライダー計39人をオール新撮し、決めポーズやアクションを披露。その姿と、かつてないスタイリッシュなライダー映像にファンの皆様も納得&歓喜!「〇〇が動いてる!」「PVかっこよすぎる」など、多くの反響をいただきました。
(「特別映像」は後半でご紹介しますので、ぜひご覧ください!)


西川貴教アニキが、美少女艦船に大変身!
Yostar「アズールレーン」3周年プロモーション

「アズールレーン」=美少女化した艦船を集めて戦う、育成シミュレーションゲーム

西川貴教さんを、メインキャラの「エンタープライズ」に美少女艦船化。この画像とほぼ同じラフを自分で作り込んで、西川さんのライブ会場に直接提案しに伺ったことは今でも忘れられません。IPファンから「アニキ」と慕われ絶大な人気を誇る西川さんの起用は、難易度の高い、IPとタレントのコラボで、誰もが納得&唯一無二の方をキャスティングできた大成功事例だと自負しています。

西川さんご本人もノリノリで協力してくださったので、「アネキ」と化した西川さんの姿にSNSは大盛り上がり!(いわゆる「バズり」ました!)アズレンのセールスは見事1位に返り咲くことに成功、西川さんが歌う書き下ろし主題歌「As a route of ray」も「レコチョク ハイレゾアルバムランキング」で1位を獲得するなど、IP×タレントコラボでファンを納得&歓喜させることの重要性が体感できたお仕事でした。


伝説の超人・レオパルドンが「特茶ケルセチンゴールド大使」に就任!
「キン肉マン×特茶」キャンペーン

「レオパルドン」=試合開始からたった0.9秒でマンモスマンに倒された悲運の超人

ターゲット世代にファンが多い「キン肉マン」とのコラボを実施。あえてマイナーな超人「レオパルドン」をメインキャラとして「特茶ケルセチンゴールド大使」に就任させ、「キン肉マン」ならではの表現で「なんだかスゴい成分・ケルセチンゴールド」を楽しくパワフルに訴求。10/29「キン肉マンの日」に山場を作ったり、コアファンの愛を刺激しながらWEBを中心に様々な施策を展開しました。

同時期に行われた「超人総選挙2021」では、レオパルドンが見事「カムバック賞」3位獲得!キャンペーンの最終投稿日には、コメント欄がレオパルドンへの感謝と愛で溢れるなど、レオパルドンの起用は多くのコアファンが納得&歓喜、ブランドの価値向上にもつながり、さらになんと作者の「ゆでたまご」嶋田先生から喜びと感謝のコメントをいただきまして、皆が幸せになれた大成功キャンペーンとなりました。

最後に。 IPコラボの企画を提案するときに大切な、「エグゼキューション・クリエイティブ」について。

「エグゼキューション・クリエイティブ」ってどんなことができるの?と聞かれた時に我々がお答えするうちの1つに「『絵に描いた餅』を『食べられる餅』にする!」というのがあります。

「IPビジネス」ブームの昨今、IPコラボの企画を提案させていただくことがかなり増えました。そこで重要なのがこの「絵に描いた餅」のお話なのですが…。

コラボしたときの想像が一瞬でふくらむようなワクワク感のある企画書になっていなければ、提案はほぼ通らないと言っていいと思います。(経験談)

IP提案はスタートが「絵に描いた餅」では既に足りない!「絵に描いた絶対食べたくなる超おいしそうな餅」(語呂悪いですね)ぐらいのレベルのものをお見せしないといかん!と思っています。それが、クリエイティブが介入することで、可能になるのです!

そして、お仕事がいただけた暁には、「超おいしそうな餅の絵」を本物の「超激ウマ餅」にして、皆さまのおなかをいっぱいにしてみせます!

それができるのが「エグゼキューション・クリエイティブ」で「IP」という最強の武器を装備して戦う、我々「IPクリエイティブ特殊部隊」の「エグゼスタイル」なのです!

一発花火じゃなく、いつまでもみんなの心に残り続けるような「IPクリエイティブ」にしたいから。

<まとめ>
●「IPの本質を捉える」ための「想像力」と「憑依力」を鍛える

●ブランドや企業様とIPの「親和性」をクリエイティブ化するのが仕事

●ファンを起点とした話題化や拡散で、想像を超える広がりや盛り上がりが
生まれ、それがブランドや企業様・IP双方の価値向上につながり、皆が幸
せになれるお仕事になる。それが「IPビジネス」の魅力であり、理想系
●コアファンが納得&歓喜してくれるかを常に意識することが成功の鍵
●IPコラボのお仕事では「絵に描いた絶対食べたくなる超おいしそうな餅」を「食べられる超激ウマ餅」
にする、それが「エグゼスタイル」

IPを活用してお仕事してみたい、
IPコラボのお仕事を頂いたけど誰に相談していいかわからない…などなど、IPビジネスにご興味あり、もしくはお困りの皆様、ぜひ「エグゼキューション・クリエイティブ」へご連絡を!よろろすおねがいするます!!

(↑大好きなIPより/その3)

超長文を最後までお読みいただいた皆様、ありがとうございました!

そして、掲載を許諾くださった各社様、ご協力いただいたADKの皆様、ありがとうございました!

<仮面ライダー50th「ALL CREW PROJECT」情報>
限定公開「特別映像」はこちら!
https://www.youtube.com/watch?v=1VKmbIaa8jQ

「東映ONLINE STORE」にてオリジナルグッズ販売中!
https://www.toei-onlinestore.com/shop/r/r100505/

ADK CRIATIVE MALL 特設サイトはこちら

©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK

Creative Director / Art Director
村上 絵美 / Emi Murakami

1977年生まれ。東京藝術大学デザイン科卒。2004年ADK入社。
アートディレクターを主として、CMやコピー・ネーミング、イラストレーション、ナレーター、声優など、何にでも挑戦し幅広い実績を持つ。

読売広告大賞 優秀賞/ザ・デイリーヨミウリ広告賞 最優秀賞/ビジネス広告大賞 大賞/毎日広告デザイン賞 部門賞/日本産業広告賞 第1席/消費者のためになった広告コンクール など多数受賞

ACC CREATIVITY AWARDS ブランデッド・コミュニケーション部門 審査員(2021年/2022年)





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