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元家具屋店員だから書ける、 5年後10年後を見据えたコピーとは。

名古屋の大学を卒業した頃、ボクはコピーライターという職業どころか、そもそも広告会社が何をするところなのかもよく知らなかった。そんなボクが、今じゃ東京の広告会社で、コピーを書いている。17年という年月は、人生を思わぬ方向へ進めてくれるみたいだ。

初めまして、ADKでコピーライターとして働く、近藤英俊と申します。今はソリューションアイデアの専門店街「ADK CREATIVE MALL」で、〈フレームデザイン・クリエイティブ〉というコンセプトを掲げる合田ルームに所属しております。

〈フレームデザイン・クリエイティブ〉とは、ひとことで言えば中長期的視点で同じ表現フレームを使用する広告クリエイティブ。詳しくは、以前のnoteで合田ルーム長が書いておりますので、もっと知りたいという方はこの記事の最後に貼ってあるリンクをご覧ください。

タイトルにもある通り、ボクは昔、とある家具屋さんで働いていました。家具を売っていたボクが、なぜコピーライターとして働くことになったのか。そんな話にも触れながら、今回は「元家具屋店員だから書ける、5年後10年後を見据えたコピー」について語っていこうと思います。


思い切って、広告会社を目指してみたら?


大学を卒業し家具屋で働き始めて1年ちょっとのボクに、ある日、人生の転機が訪れました。当時の会社が、大きな会社のグループ会社になることが決まり、今後のキャリアについて面談することになったんです。

社会人2年目のボクにとって、今後のキャリアのことなんて、まだよく分からない時期でした。家具は好きだし、接客するのも楽しい。でも、このまま店長とか、エリアマネージャーを目指す自分の姿がどうしても想像できなかったのだけは確かです。そもそも、ボクが家具屋で働き始めたきっかけは、インテリア雑誌が好きだったから。雑誌の見出しとかタイトルを考えることに興味があったんです。実際、家具屋で働きだしてからも、ホームページにのせる商品の紹介文を考えたり、本社から送られてくるテーマブックを読んだりするのが一番楽しい仕事でした。だから、面談で希望のキャリアを尋ねられた時、漠然と「広報の仕事がしてみたいです。」と答えていました。すると、エリアマネージャーから、思いがけないコトバが返ってきたんです。

「思い切って、広告会社を目指してみたら?コピーライターという職業があるから、そういう仕事をすると近藤くんの本当にやりたいことができるかもしれないよ」と。

このアドバイスがきっかけで、ボクはコピーライターを目指すことになりました。

ボクがコピーライターになれたのは、
たくさんの人の助けがあったから。


思いがけないアドバイスをもらったボクは、エリアマネージャーと店長、一緒に働いていたスタッフたちに協力を求め、某出版社が開催しているコピーライター養成講座に通い始めます。いま思い返しても、この1年は本当にキツかったです。日曜から金曜まで家具屋で働き、土曜は丸1日講座。ほぼ無休の1年を過ごすことになったのですが、なぜかものすごく楽しくて、もしかしたら人生で一番充実した時間を過ごしていたかもしれません。今でも当時のスタッフと会うときは、この頃の話で盛り上がります。

そんなハードな1年を経て、ボクは家具屋を卒業し、コピーライターとしての人生を歩み始めました。

キャリアのスタートは、名古屋の広告制作会社。未経験だったボクを採用し、1から育ててくれた思い出もあるのですが、その話はまた別の機会に。

ただ、今こうしてnoteを書かせていただけるのも、当時のボクを助けてくれた家具屋の店長・スタッフたち、名古屋で世話をしてくれた先輩・仲間たちのおかげです。この場を借りて、お礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

実は、コピーを書くのって、
家具を売ることと同じだった。


家具屋からコピーライターに転身したボクは、なかなか上手くコピーが書けずに毎日苦しんでいました。でも、ある時、ふと気づいちゃったんです。

「なんかコピーを書くのって、家具を売ることと同じかもしれない」と。

1:家具の素材や形状を徹底的に勉強し、その家具の魅力を見つける
2:見つけた家具の魅力を、お客様に分かりやすいコトバでまとめる
3:分かりやすいコトバを使って、その家具をお客様にご提案する

上に書いた3つのことは、すべてコピーライティングにも共通していたんです。「商品を勉強して訴求点を見つけ → 世の中に届くコピーにして → 広告を打つ」という風に。

関係ないと思っていた家具屋の店員とコピーライターには、実は通じるものがある。そこに気づけた時から、コピーを書くのが少しだけ楽になったというか、自信を持てるようになったんです。と同時に、もしかしたら家具屋を経験したボクにしか書けないコピーがあるのかもしれない他のコピーライターにはない武器を、ボクは持っているのかもしれない。とも、思うようになりました。

そしてそれは、〈フレームデザイン・クリエイティブ〉と出会う事で、確信へと変わっていきました。

信頼できない店員からは、
誰も大きな買い物をしたくない。


家具って、人生の中では、割と大きな買い物だと思うんです。ベッド、ソファ、ダイニングテーブル。それぞれ、いろんな形状や素材があって、値段も安い物からビックリするような高額な物まで、ありとあらゆる種類がある。その中から、これからの人生を共にする家具を選ばなきゃいけないわけですから、何度も自分の目で確かめて、納得する一品を見つけたいと誰もが思うはずですよね。

そんな時、皆さんならどんな店員さんから家具を買いたいですか。

「商品知識ばかりをひけらかし、買わせよう、買わせようとしてくる人」や「上手いことを言って、言いくるめようとする人」から、大切な家具を買いたいと思うでしょうか。ボクだったら、絶対に嫌です。親身に相談にのってくれる、パートナーのような店員さんに、頼みたいと思いますよね。

これ、広告も同じだと思うんです。ボクが所属する〈フレームデザイン・クリエイティブ〉では、企業広告のような長く使える広告やキャンペーンを求められることが多くなります。当然、コピーライターは企業スローガンやキャンペーン全体をくくるスローガンを任される機会が増えます。そんな時、最も大事なのがクライアントとの関係。つまり、パートナーとして信頼されるかどうかが大事になります。

コピーライターは、言うなれば企業の代弁者。コピーライターが書いたコピーは、企業から世の中へのメッセージとして発信されます。となれば、当然クライアントは何度も打ち合わせを重ねて、納得するコピーを世の中に届けたいと思うはずです。

「この人なら、親身に相談にのってくれる。」「この人なら同じゴールを目指して、最後まで並走してくれる。」そんな風に、クライアントと信頼関係が築けるコピーライターになることが大事だと、ボクは思います。

リピーターになってもらうためには、
ファンになってもらうことが大切。


家具は、結婚やお子様が生まれた時など、ライフイベントに合わせて買い替えのタイミングが発生します。クッションカバーやベッドリネンなどのインテリア小物も含めれば、衣替えなどで買い替えのタイミングはもっと増えます。その買い替えのタイミングで、以前に購入していただいたお客様を確実に獲得するためには、お店のリピーターになってもらうことが大事です。そのためには、以下の2つのことが重要になります。

(1)商品のファンになってもらうこと
(2)自分のファンになってもらうこと

(1)は、当然のことですが、長く使っても痛まない。古さを感じさせない。時が経つにつれて、より良い表情を見せてくれるなど、長く愛用したくなるような商品自体の魅力を高めることが大切です。
(2)は、どうせ同じ商品を買うなら「この店員さんから買いたい」「この人に接客されたい」という風に、自分自身の人柄を魅力的に見せるということが大事になります。

もうお気付きだと思いますが、コピーライターにも同じことが言えます。以前お仕事をしたクライアントに新規の案件が発生した時、真っ先にお声がけいただくためには、自分の書いたコピーのファンになってもらう。自分自身のファンになってもらうことが大切です。だからボクは、

・自分の書いたコピーは、たくさんの人に長く愛されるコピーだろうか
・この人にコピーを書いてほしいと思ってもらえるコピーライターだろうか

というようなことも、意識することを大切にしています。

5年後10年後を見据えたコトバには、
その企業ならではの人柄を込める。


家具を売る時、もうひとつ大事にしていたことがあります。それは、お客様と会話する時にその商品が持つ個性を知ってもらうこと。それがお部屋にあることで、どんな暮らしが始まるかを具体的に想像してもらうことです。

その商品ならではの個性を活かした提案をすることで、お客様がその商品に愛着を持つことができる。実は、この「愛着を持ってもらう」という視点が、〈フレームデザイン・クリエイティブ〉のコピーでは重要になってくるんです。

ボクはコピーを書く時、その企業ならではの個性。つまり、企業の人柄を感じさせるコトバをコピーに込めるように意識しています。世の中にコピーが発信された時、その企業や商品・サービスが、どんな風に受け入れられるか。どんな風に見られるのか。ちゃんと愛着を持ってもらえるか。ということを、常に想像しながらコピーを書きます。

特に企業広告のような大きなメッセージを発信するときには、「誰もが共感できる」「誰もが言える」普遍的なコトバを求められたりします。この時、普遍的なコトバをコピーにすると、誰でも言えるようなありきたりなコピーになってしまいがちです。だけど、そこに「この企業ならではの人柄」を込めることで、そのコピーは急に表情を変えます。

例えば、某ガソリンスタンドの「ココロも満タンに」という有名なコピー。このコピーには「ガソリンスタンドは、ただガソリンを売るだけじゃない。そこを訪れるお客様の心まで満タンにしなくては、本当の意味でいい企業とは言えない。目に見えない人と人との温かい心のやりとりを形にしたい。」そんな企業の人柄が「ココロも」というワードに込められています。これが、コトバに企業ならではの人柄を込めるという、ひとつの代表例です。

コピーライターに大事なのは、ただ面白い表現を追求することじゃない。

「誰もが共感できるコトバに、企業の人柄を込める。」

それこそが、一番大事な仕事じゃないかとボクは思います。

元家具屋店員ならではの視点で、
末長く愛されるコピーをご提案させていただきます。


とっても長くなってしまいましたが、5年後、10年後を見据えた広告コミュニケーションをお求めの方がいましたら、ぜひボクが所属するADKフレームデザイン合田ルームにお声がけください。それぞれの職種のスペシャリストたちが、〈フレームデザイン・クリエイティブ〉というコンセプトのもと、中長期的視点で効く広告コミュニケーションをご提案させていただきます。もちろんボクも、元家具屋店員ならではの視点から、末長く愛されるコピーを全力でご提案させていただきます。よろしくお願い致します。

ADK CREATIVE MALL 特設サイトはこちらから
合田ルーム長による〈フレームデザイン・クリエイティブ〉はこちら

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近藤 英俊  /  コピーライター

大学を卒業後、家具屋、広告制作会社を経て、ADK クリエイティブ・ワンに所属。岐阜県出身。京都とお酒をこよなく愛する。〈2016年 CCN賞 受賞〉

【こんなお仕事、お待ちしております!】
・お酒にまつわるご提案(ひとり飲みするくらい好きです)
・京都にまつわるご提案(岐阜にいた頃、通いつめてました)
・歴史にまつわるご提案(戦国時代、幕末が好きです)
・岐阜にまつわるご提案(岐阜のこと、今も好きやよ)


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