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遺品整理をしていたら。知らないうちに「ソーシャル・コンテクスト」に心をわしづかみされていた623日間の記録

●遺品整理。それは、オカンの命日からはじまった。(2020年3月24日〜2021年12月6日現在)

わたくしごとですが。

2020年3月24日。唯一の肉親である「オカン」が亡くなりました。

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オカン。享年86歳


わたしには、夫も父もきょうだいもいない上に、時はコロナ禍。

地元のおばちゃんたちに「ちょっと、助けてもらえませんか〜」と、お願いしにくい状況。


こうなったら、気合を入れて、一人でガンガンやるしかない!

CM撮影に向けての段取りをするように、せかせかと葬式、火葬、初七日を乗り切ったあと…。

遺されたのは「オカン、86年間の人生が詰まった実家」という「遺品」でした。

そんなわたしの「遺品整理」体験談を、今からお話しします。

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昭和感あふれる実家


●自己紹介

はじめまして。CMプランナーの松田珠実と申します。

ADKクリエイティブ・ワンという広告会社で働いています。

所属は、第3クリエイティブ局の小林ルーム。

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「小林ルーム、って言われてもね…」そうおっしゃるあなた!

読み飛ばす前に、せめて次の1行だけは、読んでください!

小林ルームは「ソーシャル・コンテクスト・クリエイティブ」を看板に掲げた、クリエイティブチームです。

「で、ソーシャル・コンテクスト・クリエイティブ、って何よ?」というツッコミには、後ほどくわしくおこたえします!


1:オカンの大切にしていたものだから、大切にしてくれる誰かに引き継ぎたい!お願いしたのは「ソーシャル・コンテクスト」な会社でした。

1−1:究極の3択。築41年の実家をどこに売る?


●クイズ!実家相続!

突然ですが、問題です。

あなたがある日、思い出深いご実家を相続されたとします。

「維持するのも大変やし、しゃあない!売るか!」と決心したあなたの前に「ぜひ買い取らせていただきたい!」という3つの会社が現れました。

買取金額は、おおむねどの会社も同じ。

さて。あなたなら、どの会社を選びますか?


A:とにかく早く買い取ってくれる、地元の不動産仲介会社

B:テレビCMをやっているような、全国的に名の知れた、かなり大手の住宅メーカー

C:地元のために「高齢者向けサービス付き賃貸住宅を建てたい!」と具体的な目的を提示してきた住宅メーカー


一生に何度も体験することのない「実家売却」

どの選択肢も、魅力的で迷いませんか?


考え抜いて、わたしが最終的に選んだのは「C」でした。

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築41年の実家


シングルマザーのオカンが、長い長いローンを組み、80歳を過ぎても働き続けて守った家。

「売る!」と決めるまでには、正直罪悪感もあり、気持ちが行ったり来たりする長い夜を過ごす中。

「どうせ売るなら、使われる目的がはっきりしている会社を選びたい!」という気持ちが高まってきました。

そんなわたしの背中を押してくれたのが「C」の「フジ住宅」さんという会社だったのです。

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実家の最寄り駅 阪急塚口駅


●わたしの小さい頃を支えてくれた、おばちゃんたち

わたしの実家のある地域は、最寄り駅から徒歩20分。

小さかったわたしが、買い物やプールに行くとき。

地元のおばちゃんたちが、ママチャリやバイクの後ろに乗せて、最寄り駅までビューン!と連れて行ってくれました。

そんなおばちゃんたちは、2021年。

みんなそろって超シニアになり、赤や藤色のカラフルな手押し車を押していました。


●お世話になったおばちゃんたちに、わたしのできる恩返しは何?

実家を見るのはコレが最後、という日。

目の前の道を、掃き掃除していたわたしに、超シニアおばちゃんたちが近づいてきました。

おばちゃん1「珠実ちゃん、ここの土地売んの?」

わたし「はい。東京暮らしで、サラリーマンのわたしには、税金とか維持とか、ちょっと荷が重くて…」

おばちゃん2「せやな〜。で、ここに何が建つん?」

わたし「高齢者向けの、サービス付き賃貸マンション、ですって」

おばちゃん1「え?サービス付き!ええやん!わたしすぐ入るわ〜!この辺り、年寄り多いしええやない〜」

おばちゃん2「▲▲さんも、一人で寂しいって言うてたから、教えたろ!」

おばちゃん1「珠実ちゃんも、歳取ったら入ったらええがな。それまでおばちゃん、頑張って生きとくわ〜!ま、先のことは、知らんけど!」

相変わらず元気が有り余るおばちゃんたちに、ほっと胸をなでおろすわたし。

とにかく健康第一で、長生きしてな〜。


●想像もつかなかった、実家の使い道。シニア密集地帯に「高齢者向けサービス付き賃貸住宅」

「おばちゃんたちが、超・超・超シニアになっても、みんなでワイワイ暮らせる住宅」に、実家が生まれ変わる。

ただの住宅ではなく「高齢者に絞った賃貸住宅」を建てる。

オカンが大切にしてきた実家が有効活用でき、シニアの多い地元の役に立ててほんとによかった!という思いが沸き上がってきました。


この夢のような選択肢を与えてくれた「フジ住宅」さんには感謝の気持ちしかありません。ほんとうにありがとうございます!

ステキな「高齢者向けサービス付き賃貸住宅」が、シニアおばちゃんたちを、もっともっと笑かしてくださる日は、おおよそ1年後に迫っています。

それは、わたしが、オカンと超シニアおばちゃんたちのためにできる、サステナブルな恩返しだったのです。


1−2:庭に植えられた140本の木と、134鉢の観葉植物は、死にゆくだけの運命か!?


おかげで、実家はめでたく、地域で生きる道が見つかりました。

ただし、実家を売るためには、家を解体し、更地にしなくてはなりません。

「解体して、更地にするって、ガガーッ!と家を潰すだけでしょ?」って思います?

はい。わたしも、そう思っていました。


●新たな問題、噴出。

のほほんと構えていたわたしの元に、ある日やってきた、解体費の見積もりメール。

ふだんの生活では見たこともないその金額にびっくり!机の角に膝を打ちつけました。

わたし「えらいこっちゃ!わたし、こんな金額払えるんか?CMの制作費やん!」

イヤな汗をかきながら、あわてて解体屋さんに電話。詳細を確かめると、問題となる大きなポイントが!

それは、庭に植えられた140本の木と、134鉢の観葉植物だったのです。

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オカンが、特にお気に入りだった鉢植えゾーン


解体屋さん「松田さんとこみたいに、木がいっぱいあると、どうしても高くなるんですわ〜」

わたし「なるほど…」

解体屋さん「木って、根っこから、ガーッとやらないかんので…」

わたし「ちなみに、ガーッとやったら、その木はどうなるんですか?」

解体屋さん「あ、ゴミですね〜」

わたし「えっ!それって、木が死んじゃうってこと?」

解体屋さん「ま、そうなりますね〜」

毎朝早起きをして、庭の木々の一本一本、観葉植物の一鉢一鉢に水をやるのが、オカンの日課でした。

わたし自身も、園芸アドバイザーの資格をとってしまったほどの、植物好き。

わたし「どーにか、木を生かす方法はないですかね〜?」

解体屋さん「ネットで調べてみたらよろし。ボクは知らんけど…」

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すくすく育った植物は、死んでしまう運命?


●木の里親、という未知なる発想との出会い

そや!ネットね〜!

勢いづいて検索したものの、関西地区で庭の植木を丸ごと引き取ってくれる会社はなかなか見つからず…。

「関西」「尼崎」「兵庫県」「大阪府」などのキーワードを思い切って外し、たどり着いたのが「やましたグリーン」さんという会社だったのです。

※最終的な検索ワードは「植木」「引き取り」「思い出」という、シンプルなものでした。


「やましたグリーン」さんは、木の里親という活動をされています。

実家の売却や、引っ越しをするとき。

思い出の木をなんとか生かしたい!という、わたしのようなたくさんの声に応え、木を引き取り、次に欲しい人へと繋いでいく。

環境を考え、木々の命をつなぐ、サステナブルでこころ温まるお仕事です。


この活動に大いに共感したわたしは、ソッコーで問い合わせ。

実際に植木たちを見に来ていただき、たくさんのアイデアをいただいて、その一部を生かすことができました。

ご夫婦で、夜通し車を走らせて、八王子から尼崎までいらしてくださった、山下社長!その節は、本当にありがとうございました!

尼崎育ちの植物たちにも、東京での第二の人生がはじまりました。


1−3:引き取り拒否連発!86年分のハンドメイド服の行方は?


植物たちを何とか生かす道ができホッとしていたわたしに、再び、解体屋さんからのメールが…。

解体屋さん「ちなみに、家の中の衣類だけは、何とかしといてください。大量にあると、解体に支障が出ます」


●え、解体に支障?なんで?

解体屋さんによると、昨今のSDGs潮流により、自治体でのゴミの分別がかなり厳密になっているとのこと。

以前のような「解体したゴミ一式」では、処分できないそうです。


「なるほどね〜!」と、のん気に構えていたのも束の間。

実家のあらゆる押し入れ、箱、衣装ケースから、バンバン発掘される、オカン人生86年分の歴史的衣類に、現実に引き戻されるわたし。

派手な原色のパンツや、金の蝶が舞う柄のジャケット。

豹の柄(豹柄ではなく、豹自体が描かれた)のワンピース。

摩訶不思議な色のニット。

そのあたりのお店では売っていない、かなり奇抜なアイテムの数々。


おでかけ好きだったオカンの趣味は、ミシンを操りハンドメイドの「よそ行き」服を作ること。

何のブランド品でもない、オカンの地道な作品の山。これ、一体どうしたら…。


●引き取り拒否連発のピンチ!

試しに、複数の古着買取サイトや、古着専門店に問い合わせたところ、ハンドメイドでは条件が合わず、引き取り拒否が連発!

ゴミとしての古着処分サイトはたくさんあるけど、何だか決め手に欠ける。

フリマサイトで売るには、量が多すぎて手に負えない。

防虫剤の香りがする膨大な量の衣類を前に、ますます高まる絶望感…。


●神の言葉!?との出会い

パソコンの前で、何日も検索し続けたわたしが「これは神の言葉か!」と飛びついたのは、その名も「古着deワクチン」さんという会社でした。

「古着de ワクチン」さんは、古着をワクチンに変える活動をされています。

専用の袋に古着を入れて送るだけで、1袋につき、開発途上国の子ども5人分のポリオワクチンが寄付されるのだそうです。


送る側は、特に分別の必要もなく、不要な衣類やバッグ、靴などを入れて送るだけ!という手軽さも魅力!

さらに、古着を開発途上国に送ることで、再利用や雇用を生み出すというメリットもあるそう。

ホームページには、サステナブルなサービス内容が評価され、第3回ジャパンSDGsアワード特別賞を受賞!との記載まで。


いいことしかない!これぞ、わたしの求めていた神サービス!

さっそくキットを取り寄せ、古着たちに「さいなら〜!」を言いつつ、どんどん詰めこみました。その量、なんと10袋。(注:1袋には、Tシャツ約100着が入ります)

オカンが、生涯作りつづけた奇抜な衣類が、出会ったことのない50人の役に立ったのです。

遠い国の誰かが、オカンの派手なワンピを着てスキップしているかもしれない。想像しただけで、小躍りするような楽しい気分になりました。


●まさか、猫までも…

わたしは今、オカンが遺した愛猫ラブ子と暮らしています。(4歳・オス)

ラブ子は、尼崎市の保護猫施設からやってきた、元ノラ猫。

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入院前日。ラブ子を思う存分なでるオカン


ノラ猫を見ればすぐ拾ってしまい、常に猫屋敷化してしまっていたオカン。わたしも、たくさんのノラ猫たちといっしょに育ちました。


そんなオカンが、生涯の最後に引き取ったノラ猫が、ラブ子。

オカン「わたしが死んだら、あんた、ラブ子をかわいがったってな〜」

うん。その遺言、確かに受けとったで〜。

気づけば、猫までサステナブルだったとは、ホントに驚きです!

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お気に入りのネズミのおもちゃも、実家から


1−4:まとめ わたしが実体験した「ソーシャル・コンテクスト」な会社とは?


さて。あなたは、もうお気づきかも知れません。

わたしが遺品整理をしながら、知らず知らず選んでいたのは、すべて「ソーシャル・コンテクスト」な会社だったのです。


一般的な意味での「ソーシャル・コンテクスト」な会社とは。

例えば、サステナブルなど、社会貢献意識の高い活動や、社会のために役立つことを重視して、商品やサービスの開発をされている会社のこと。


社会貢献って難しそうやし、ええカッコしいな感じでちょっと恥ずかしい。わたしの暮らしには、なんか遠い気がする。

これが、一消費者として、わたしの正直な思いでした。


だけど、こんなわたしですら。

自分の気が済むように、ただ目の前にある課題を一つずつ片付けていただけで、いつの間にか「ソーシャル・コンテクスト」な会社に助けられ、「ソーシャル・コンテクスト」的に、誰かを助けていたのです。

遠いと思っていた「ソーシャル・コンテクスト」は、調べてみると意外なほど身近にあり、関われば不思議としあわせな気持ちになれました。


「ソーシャル・コンテクスト」は、もちろん社会のためにあるけれど、突き詰めれば、誰かの小さなしあわせのためにある。

社会貢献って、実はひとりひとりへの貢献で、自分ごと化の究極なのだな、と実感しました。

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おかげさまで、毎日しあわせです〜


2−1:わたしの実体験から感じた「ソーシャル・コンテクスト・クリエイティブ」で語るメリット


「ソーシャル・コンテクスト・クリエイティブ」は、商品のスペックや価格競争で語る従来型の広告とは、まったく違う話法です。


知らないうちに、一消費者として「ソーシャル・コンテクスト」な会社を選んでいたわたしのように。

消費者が、数ある同業者の中から1社を選ぶ大きな理由は、企業として「いかに世の中の役に立とうとしているか」や「ひとりひとりをしあわせにしようとしているか」という、意識が伝わること。

その点にフォーカスし、企業や商品の「社会的な価値」を発見。より深く、個人へ結びつく道筋をつくるのが「ソーシャル・コンテクスト・クリエイティブ」


つまり「ソーシャル・コンテクスト・クリエイティブ」で、企業や商品を語るということは、消費者に深く共感してもらうことができ、応援してもらえる会社になれる、最先端の近道なのです。


●ひとりひとりをしあわせにする「ソーシャル・コンテクスト・クリエイティブ」3つのいいこと

その1:企業の経営理念・商品開発への思い、社会貢献活動などに賛同してくださる、濃いお客さま・ファンが集まりやすい。
その2:社会貢献活動やSDGs的な視点で、商品・サービス開発をしている社員のみなさんのモチベーションが上がる。
その3:いつもの商品を、今までの広告と違う「ソーシャル・コンテクスト」的な切り口で訴求することで、より消費者が自分ごと化しやすい、新しくしあわせな価値が生まれる。


しょうゆでも、食用油でも、保険でも、おもちゃでも、薬でも、通信でも、エネルギーでも、車でも、洋服でも。

すべての商品やサービスはそもそも、誰かの生活を楽しくしたり、ラクにしたり、おいしくしたり、安心させたり。

ひとりひとりのしあわせを追求することから、生まれていると思うのです。


ひとりひとりのしあわせが集まれば、自然と、社会もしあわせになる。

「ソーシャル・コンテクスト・クリエイティブ」は、そんな企業の根源的な理念を、広告というカタチで伝えられる骨太なメソッドです。


2−2:「ソーシャル・コンテクスト・クリエイティブ」チェックシート。一つでも当てはまったら、ぜひ「小林ルーム」にご相談ください!


既存の商品やサービスに、どんな「社会的な価値」があるのか。プロの目で発見してほしい!
SDGsに意識の高い、新しいお客さまと出会いたい!
■こんな時代だからこそ。商品や、社会貢献活動を通じて、誰かを助けたり、地域の役に立ちたい!
社会問題を解決する技術があり、それを応用した商品が既にあるが、まだ世の中に知られていない!
■社会貢献に関心はあるが、ド直球で伝えるのは、ちょっと恥ずかしい!
■社員のみなさんに、日々の業務が「社会の誰かのために役立っている」という意義を伝えたい!
■今まで同じ路線で広告してきたが、どうもマンネリな気がする。斬新な切り口が欲しい!
■シニアや子育て世代など、より深いターゲットに向けた、新商品・新サービス開発の切り口を一緒に考えてもらいたい!

はい!わたしが所属している「ソーシャル・コンテクスト・クリエイティブ」の小林ルームが、お力になります。

どんな小さなことでも、お話だけでもお伺いします。

お会いできる日を、ルーム一同お待ちしております!!

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長文を読んでくださり、本当にありがとうございました!!!

3:リンク集

ADKクリエイティブ・モールについてのリンク集です。お時間あれば、ぜひお読みください!

●「ソーシャル・コンテクスト・クリエイティブ」を深く知る!小林ルームのマガジンは、こちら。

小林ルームの「ソーシャル・コンテクスト・クリエイティブ」マガジン

●小林ルームが所属する、第3クリエイティブ吉田局長の記事は、こちら。

クリエイティブ・モールって何?吉田局長の「整形外科医に治せないギックリ腰の謎!」

●ADK CREATIVE MALL をもっと深掘りするなら、こちら。

ADK CREATIVE MALL 特設サイトはこちら


●書いたのは、松田珠実(マツダタマミ):CMプランナー

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兵庫県尼崎市出身。紙焼き写真の暗室プリント技術者から、CMプロダクションを経て、現在に至る。趣味は、猫と園芸と読書。46歳にして、初めての運転免許を取得するなど、新しいことにトライするのが大好きです!来年はゴルフとシャンソンを習いに行く予定。

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