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CMプランナーが、実践するゥゥゥ!!!!!!フルファネルゥゥゥ!!!

はじめまして、宮田庄司郎と申します。僕は広告を作る仕事をしています。所属するADK CREATIVE MALLの中で「フルファネル・ユニークネス」というコンセプトを掲げ、チームを率いています。このコンセプトに決まった日、チームのO沢先輩に「フルファネル・ユニークネスになりました!」と報告すると、O沢先輩は「本当にユニークな奴は、自分のことユニークと言わないのでは?!」とさらりとツッコまれた事は忘れられません。そんな愛すべき「フルファネル・ユニークネス」というコンセプトのことをお話したいと思います。
 
まずは、「フルファネル」とは何かを軽くご紹介。それは、商品やサービスの認知からファン育成まで、あらゆるファネルを一気通貫した戦略で、コミュニケーション設計すること。これまでの広告は、商品の認知を獲得することが主な役割でしたが、これからは買って終わりではなく商品のファンになってもらい、ファンを育成していくことが非常に大切になってきています。この各ファネルに対して一気通貫したクリエイティブの制作が、僕の仕事になります。

また、フルファネル「クリエイティブ」とするのではなく、「ユニークネス」にした事にもこだわりがあります。僕は関西出身で、どんなことでも、少しでも目立ちたい、笑わせたい、という意識が働いてしまう、いわゆる「イチビリ」という奴です。これまで制作してきた広告もオチがあったり、クスリと笑える要素があったりするものが多いです。ただ、さすがに会社の部署のコンセプトを「フルファネル・イチビリ」には出来ないので、「ユニークネス」とカッコつけてみたという訳です。

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日本にはCMプランナーという仕事があるゥゥゥ!!!

さて、フルファネルと言っておきながら、そんな僕のクリエイティブのキャリアはCMプランナーから始まりました。このCMプランナーという職種は海外の広告会社にはない日本独自の肩書きだそうです。17年間、TVCMプランニング一筋。15秒はストップウォッチが無くてもほぼ正確に体内時計で計れます。定規を使わず目をつぶっても16:9のマスをキレイに書けます。まさにTVCMを愛し、TVCMに愛された生粋のCMプランナー。僕がCMプランナーになった17年前は、CMプランナーが脚光を浴びていた時期でもありました。TVCMから名言が生まれ、TVCMの出演本数がタレントの人気のバロメーターにもなり、CMプランナーが主人公の月9ドラマもあった時代でした。しかし、TVを主戦場とするCMプランナーの環境は一変しました。2010年以降の急速なデジタル化によって、一億総動画クリエイター時代、誰もが動画を作れてしまう時代がやってきました。また、SNSの浸透により新しい映像文化も生まれています。そして、何よりクライアントから求められるモノもCMだけではなくなっています。もはやCMプランナーの時代は終わったのか!?と思うこともしばしばありました。

泣き

このnoteの記事は、フルファネル・ユニークネスというチームのコンセプトの紹介でありながら、一人のCMプランナーが時代に合わせて、もがき苦しみながら己の能力を磨き、高めていく実録ドキュメントでもあります。

人間ひとつのことを10年必死にやれば何かしらは身につくもの。17年間CMプランナーとして広告を制作してきた僕も2つの技術を身につけることができました。そう、体内時計で15秒を計ること!そして、目隠しで16:9のコマを描くこと!・・・・ではなく!!
一つ目は、 CMの読後感を操るチカラ。それは、CMを見た人にどんな感情を持ってもらうか。を考えることです。そして、二つ目は、15秒や30秒という時間軸を操るチカラ。これは、ただの情報の伝達では見向きもされないCMに、起承転結のストーリーを設計することです。
 
こんなCMプランナーの技術が、どうフルファネルにつながるのか?それが分かる事例を一つご紹介したいと思います。

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オリエンから、「TVCM」が消えたァァァ!!

皆さんは、2019年ラグビーワールドカップ日本大会を覚えていますか。日本代表の躍進は毎晩ニュースに取り上げられ、ラグビーが日本で一気に人気のスポーツに仲間入りになるきっかけとなった大会です。その全48試合を(もちろん日本戦以外も!)放送する「スカパー!」のラグビー事業への理解と加入促進を目的としたプロモーションのオリエンがありました。提案も特定のメディアの施策に縛られることなく、目的を達成するための自由なアイデアを求められていました

そこで、スカパー!が有料放送であることを踏まえ、ターゲットを「お金を払ってでもラグビーを見たい!」と思うようなコアなラグビーファンに設定しました。そのターゲットに、スカパー!が、「ラグビーのことを分かっている」「ラグビーを応援する存在である」というイメージを醸成することで、ラグビーファンが、スカパー!ファンへと変わってくれると考えました。全48試合放送という情報の認知獲得だけではなく、ファンを育成するというフルファネルな戦略設計で企画を考え始めました。

CM制作的な手法ですが、僕はまず強烈な旗振り役になるキャラクターを作ることにしました。ラグビーを応援するというスカパー!の理念を擬人化するキャラクターです。それが、先ほどからこのnoteにチラチラ現れている、頭が熱々の肉まんの熱いキャラクター「ラガーまん」です。このnoteでも、ここまで正体を明かさずにいることで「何だコイツ?せめてコイツが何か分かるまで読んでみよう」と思わせるCM的な役割をしてくれています!!「正体が分かったからもういいや!」と言わずにもう少しお付き合いを。

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広告ではない施策が、ファンをつくるゥゥゥ!!

そして、この正体を明かさないという手法が、このキャンペーン全体のキーファクターにもなっています。ターゲットにその商品のファンになってもらう上で、僕が一番大切にしている事は、「広告的な施策はファンに見透かされる。」という視点です。スカパー!がワールドカップの盛り上がりに便乗して、宣伝をしていると思われたら、ラグビーファンは振り向いてくれないと考えました。そこで、ラグビー界を盛り上げる、というスカパー!の理念の象徴であるラガーまんは、スカパー!という企業名を一切明かさず、世に出て行くことになりました。広告宣伝費を使いながら企業名を出さずに施策を展開されたクライアントは、素晴らしいご判断をされたと思います。

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2019年9月20日、ワールドカップの開幕戦に合わせて、突如Twitterアカウントデビューしたラガーまん。Twitterでラグビーファンを地道にフォローし、連日開催される試合の告知と結果を熱く投稿をし続けました。Twitter上で、熱いキャラクターを表現するために、語尾を全て「ァァァ!」「ゥゥゥ!」という記載にしました。とことん熱い投稿を続けることで、だんだんラグビーファンに噂されるようになって行きました。「この熱いキャラクター何者・・・!?」「中の人はどこかの選手なのかな・・・!?」そんな狙いどおりの反応が得られてきました。この企業名を明かさないキャンペーンの立ち上がりの設計も、CMの冒頭で強く視聴者を惹きつけるフックをつくるという、ある意味CMプランナー的なストーリー設計から出来ています。

とはいえ、いつかはラガーまんがスカパー!の公式キャラクターであることを宣言しなければ、そもそものスカパー!の課題は解決しません。正体を明かす日もクライアントと熟考を重ね、Xデーは11月3日に決まりました。この日は、ワールドカップの決勝戦の翌日です。つまり、ラグビーワールドカップ日本大会が終わった日。地上波のあらゆる放送局がワールドカップの特集をやめ、国民に「ロス」という言葉が出たとき、スカパー!はこう宣言したのです。

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熱い男は背中で語る。日本がワールドカップで沸いていた開催期間は、企業名を明かすことなく熱く応援し、ワールドカップが終わってラグビーファンが寂しさを感じる時に、ラグビー界を応援する姿勢を伝えました。その結果、ラグビーファンにスカパー!のラグビーに対する本気度が伝わり、スカパー!と一緒にラグビー界を盛り上げようという連帯感が生まれました。CM的な手法でいう読後感の操作が上手くいったのだと思います。

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ファンとのコミュニケーションは続くゥゥゥ!それが、フルファネルゥゥゥ!!!

スカパー!と名を明かしてからも、ファンとのコミュニケーションは続きます。むしろ、ファンとの関係を良好に維持するためにも、ここからが肝心。例えば、Twitter投稿用の動画の撮影現場での一幕。撮影が順調に進み、予定より早く終わろうとしていました。そして、ちょうどリアルタイムで、撮影中のラガーまんの様子をTwitterに投稿した時に、フォロワーの「ラガーまんのお尻かわいい」と言うリツイートを発見しました。そこで、準備を必要としないで撮影できる事として、「尻文字クイズ」という肉体美を存分に利用したコンテンツを撮影&制作しました。これも、これまで幾度となく自らコンテを描いて、撮影現場に立ち会ってきたCMプランナーの瞬発力があったからこそ、ターゲットの反応に合わせて、リアルタイムでアイデアをカタチにできたのだと思います。

尻文字

どんな状況下でも出来ることがあるゥゥゥ!!!

そして、2020年の4月、ラグビーシーズン最後のイベントであるトップリーグが、緊急事態化で中止が決定してしまいました。事前に用意していた動画も使えなくなってしまいました。予算も限られている。そんな状況でできることは、CMプランナー的にはコンテを描くことぐらい。そこで、世の中の「手洗いチャレンジ」に乗っかって、手洗い4コマ漫画を描きました。

手洗い

こうして、本来トップリーグ終了と同時に終了するはずだったラガーまんは、6000人以上のフォロワーの後押しもあり、ラグビーを応援する存在として存命することになります。ワールドカップを機に、日本にラグビーの人気に手応えを感じたラガーまんは、再就職して「“サラリーまん”と兼業」という形で、現在もラグビーファンとともに熱くラグビーを応援しています。

再就職

ぜひ、熱いラガーまんの姿を覗いて頂けると嬉しいです。
ラガーまんTwitter (ID:@ruggerman150919)

時代とともに変わるクリエイティブゥゥゥ!!!

いかがでしたでしょうか。一般的なフルファネルのコミュニケーションとは異なるかもしれませんが、認知拡大からファン育成までを、ラガーまんと共にCMプランナー的につくりあげたキャンペーン。フルファネル・ユニークネスとは何かを感じて頂けたでしょうか。CMプランナーで磨いた、15秒CMの読後感をつくるチカラは、ファンを育成することに、15秒の時間軸を操る力は、キャンペーン全体の時間軸を操ることに、活かせたと感じています。時代とともに広告やコミュニケーションのカタチは変わっていきます。クリエイターも、自分の培ってきた能力に軸足を置きながら、柔軟に変わって行けばよいと思います。肩書きではなく、柔軟さこそ今のクリエイターに求められているものではないでしょうか。
 

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最後に、ADK CREATIVE MALLには、僕の他にも異なるコンセプトを掲げるチームが10個あります。ぜひ一度、どんなチームがあるか覗いてみてください。そこには、王道からテクノロジー、コンサルからエグゼキューションまで、各チームがどのような特徴があるのかが一目で分かるMALL MAPという分布図があります。ちなみに、その分布図のちょうど真ん中に僕の顔があります。この分布図が発表された時、チームのO沢先輩に「全モールのド真ん中を獲りましたよ!」と報告したら、「それ、無個性ってことじゃ・・!?」とツッコまれました。フルファネル・ユニークネスって、「個性」ありますよね?

ニヤケ顔の僕がど真ん中にいるMALL MAPもぜひチェックゥゥゥ!

「ADK CREATIVE MALL 特設サイトはこちら」


プロフィール

クリエイティブディレクター/ CMプランナー 
宮田庄司郎   Shojiro Miyata

神戸大学体育会アイスホッケー部卒 奈良県出身
3年の営業職を経て、クリエイティブに異動。受賞歴多数。
クライアント&営業の皆さんとの伴走型CDを自負しております。
「note見た!」で、プレゼンに1案追加します。




専門性によって課題解決のブレーンが選べる業界初のクリエイター専門店街「ADK CREATIVE MALL」。  クリエイティブの力であらゆる課題を解決するクリエイターたちの頭の中を大公開。